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仕事中に負傷して困った時は?


労働災害のあらまし

勤務中に怪我(一般にこれを災害といいます)をした場合、「労働災害」として扱われます。正確には、労働者が業務上または通勤による災害により負傷し、または病気にかかった場合をいいます。業務上で発生した災害を「業務災害」、通勤途上で発生した災害を「通勤災害」として区別することもあります。この根拠となる法律は、労働者災害補償保険法です。正当な業務上に発生した災害に対しては、法律上すべて事業主が責任を負うことになっています。つまり、被災者本人が病院で掛かった治療費はもちろんのこと、それが原因で職場を休んだ場合には休業補償を受けることができます。そうした費用は、勤務先の会社が負担することになります。

したがって、健康保険証を使用することはできません。健康保険証を使用出来るのは私傷病(業務外の災害)に限られます。業務上の災害であるのも係わらず、医療機関で健康保険証を使用したことが発覚すれば、後日遡って全額負担しなくてはなりません。

労働災害が発生したとき

勤務中に怪我をしたときは、直ちに職場の上司にそのことを報告してください。緊急を要する負傷であれば、救急車の手配を要請し、すぐ病院で診察、治療を受けてください(通常は職場の総務課で手配します)。労災指定病院では無料で受診することができますが、指定を受けていない病院では、通常初診費用は立替払となって後日返金されるという扱いになります。

なお、病院の主治医には、労働災害であることをはっきりと告げるようにください。

■労働災害が発生したとき http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousai/

■労災保険情報センター http://www.rousai-ric.or.jp/

勤務先の上司に労災を受け付けてもられません。

勤務中に怪我をしても、職場の上司が積極的に労災の手続きを行ってくれないかも知れません。被災者がよく困る事例です。いわゆる門前払いに相当します。

しかし、勤務中に怪我をしたことが明白であるなら問題ありません。所轄の労働基準監督署に請求書を提出すれば受理されますから、相談してください。労働災害の認定は労働基準監督署が行うことになっています。

■労災保険情報センター 労災なんでもQ&A

Q.24 仕事中にケガをしたため、労災の請求をしようと思うのですが、事業主が証明を拒否しています。このような場合、どうすればよいのでしょうか。

【回答】
労災保険給付の請求に当たっては、「負傷年月日」、「災害発生状況」等について事業主の証明を受けなければなりません。

しかしながら、事業主が証明を拒むなどやむを得ない事情がある場合には、請求書を提出する所轄の労働基準監督署に、証明を得られない事情を述べることで、請求書は受理されます。

事業主が証明を拒む場合には、まずは所轄の労働基準監督署にご連絡ください。

労災を申請しようとしたら、辞めてくれと言われた。

被災者に対して「辞めてくれ」という強要は、全く根拠がありません。会社側のこうした行為は、俗にいう「労災隠し」につながります。労災隠しは犯罪です。労働災害が発覚するということは、職場の管理が行き届いていないということにつながるため、事業主にとっては実に都合が悪いことだからです。

業務上発生した事故について、従業員が労働災害として申請することは法律で定められた正当な権利です。労災の申請は、たとえ従業員としての身分を失った後でも出来ます。つまり、実際に申請しようとする時は、災害が発生した事業所に現在も引き続き雇用されていることを条件としているわけではありません。

労災保険の具体的な手続きを今直ぐ知ることはできますか?

はい、可能です。厚生労働省が、「労災保険給付の概要」をウェブサイトに掲載していますので、インターネットに接続できる環境さえあれば、わざわざ労働基準監督署に出かける必要はありません。

「労災保険給付の概要」のページより入手してください。
(照会先:労働基準局労災補償部補償課 電話03(5253)1111(代表)内線5464)

各種給付請求書のダウンロードについて


現在(2013年12月3日)、各種請求用紙はインターネットで配信されています。わざわざ近くの労働基準監督署に出かけなくても入手できます。ダウンロード可能な書式は、以下のものをはじめ、大抵の請求用紙が用意されました。
  • 療養の給付請求書
  • 療養の費用請求書
  • 休業補償給付支給請求書
  • 障害補償給付支給請求書

事業主の責任は?

事業主は、労災を防止するため、労働安全衛生法に基づく安全衛生管理責任を果たさなければなりません。法違反がある場合、労災事故発生の有無にかかわらず、労働安全衛生法等により刑事責任が問われることがあります。

労災事故が発生した場合、労働基準監督署にその事故を報告しなかったり、虚偽の報告を行ったりした場合にも、刑事責任が問われることがあるほか、刑法上の業務上過失致死傷罪等に問われることがあります。



  • 最終更新:2013-12-04 18:30:57

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